DesertWind・ニュースレター May, 2022
『あなたは何が見えますか』(マルコ8:22-26)
LVJCC 牧師:鶴田健次
精神科医の香山リカさんという方が書かれた 『若者の法則』という本の中に、人は自分以外の人をただの景色として見ている、ということが書か れていましたが、皆さんは、周りにいる人をどのように見ておられますか?
イエス様と弟子たちがベツサイダという村に着い た時、村の人々が一人の盲人をイエス様のところ に連れて来ました。イエス様は、盲人の目につばきをつけ、両手をその目に当てると、その盲人は 最初はぼんやりと見えるようになり、二度目にイエ ス様が両手をあてると完全に見えるようになりました。
イエス様は、最初にこの盲人の目に手を置いて、「何か見えるか」と尋ねられた時、盲人は「人 が見えます。木のようですが、歩いているのが見え ます」と答えました。人だと分かっても、人として見 えていない。木のように見えると言ってる。しかし、 もう一度イエス様が両手を目に当てると、すべてがはっきり見えるようになって、人間が人間として見えるようになった。つまり彼の目は完全に癒されたのです。
1.人には見えない世界がある
24 節で、この盲人は人が木のように見えると言 っていますが、これは私たちにも言えることかも知 れません。人の様々な行動の背後にある本当の 心が見えずに、事実とは違うものを見ていることがよくあるものです。
俳優の森繁久弥さんが、「屋根の上のヴァイオ リン弾き」というミュ-ジカルを演じておられた時のこ とです。最前列に座っていた一人の男性が初めか ら全く顔を上げようとしませんでした。舞台を全然見ていないのです。森繁さんは、最後の幕が下ろされると、ステ-ジを降りて、その男性のところに行 き、次のように尋ねられました。
「先程から拝見して いますと、あなたは顔を伏せたまま、舞台を見ようともされませんでしたが、私の演技のどこに不足があ るのか教えていただけませんか?」森繁さんの問い掛けに、その男性はゆっくりと顔を上げました。すると、その人は全盲の方で、その両 方の頬に何すじもの涙が流れていました。そして、 次のように答えられました。
「ごらんの通り、私は全 盲ですから、耳で聞く以外、舞台を見ることはできません。しかし、先ほどから、あなたの演技にひどく感動し、身動きができずにおりました。」 それを聞 かれた森繁さんは激しい衝撃を覚え、言葉も出なかったそうです。このように、人には見えていないものがあるのです。
2.本当の人間が見える
25 節に、イエス様がもう一度盲人の両目に触れると、すべてのものがはっきり見えるようになったと書いてあります。つまり、ここから与えられるメッセージ は、私たちの心の目も、イエス様に触れていただくなら、人間の本当の価値がよく見えるようになるということです。
ドイツに、ベーテルという街があります。これは福 祉のモデル都市と言われる所です。そこに日本から 一人の牧師がある施設を見学に行きました。そこには寝たっきりの障害者の人たちが寝ていて、その中に身長が 53 センチしかない50 歳の男性がいました。身動きもできない、ただ転かっているだけの人です。
ところが、その施設の職員は、「この方は私たちの宝なんです」と言って、戦争中の話をされました。それは、国家の大切なお金を寝たっきりの人 間のために使うのは勿体ないと考えたヒットラーか ら、転がっているだけの人間は安楽死させろという使令が届いたという話でした。
しかし、この施設の 職員たちは、「この人を殺すなら、私たちも殺してくれ」と言って、この人を守ったのだそうです。「命を賭けてでも守らなければならないものだから宝なのだ」というのです。それは彼らが、その人の中に本当の人 間の価値を見ていたからに他なりません。
3.神が見られる人間の価値
イザヤ書 43:4 に、「わたしの目には、あなたは高 価で尊い。わたしはあなたを愛している」とあります。神の御言葉によって教えてもらわなければ分からない隠されている神のお心です。
世の中の経営者たちの中には、「人間が、道具のように見える」とか「大きな機械の歯車の一つだ」 とか言う人がいます。あるいは、老人を抱えている家庭の中には、その老人を粗大ゴミのように見てい る家庭があります。しかし神だけは、すべての人を「高価で尊いもの」として見ていて下さるのです。
それは決して口先だけではありません。神の愛 は、キリストの十字架で証明された愛です。主は、ご自分の尊い命を犠牲にして私たちを愛して下さいました。それによって初めて私たちは、自分が如何に高価で尊い存在であるかを実感するのです。また同時に、周りにいる人々の中にも、そのような価値を見出すのです。
Desert Wind 2022年 5月号 案内・ニュース
◆ 5 月 1 日(日)の礼拝後、愛餐会ののち日英合同で役員会が持たれます
◆ 5 月 8 日(日)は母の日礼拝が持たれます。私たちを産んで育てて下さったお母さんに、またそのお母さんを与えて下さった主に心からの感謝の意を表しましょう。なお、礼拝後は母の日愛餐会が持たれ、その 後で婦人会の例会がございます。
◆ 5月15日(日)の礼拝後はランチの後、映画鑑賞会が持たれます。今回の映画は『マリヤ』です。英語の映画ですが日本語の字幕付きです。
◆ 5 月 30 日(月)は、例年通り 9:00AMよりDavis Funeral Homes & Memorial Park のペギー姉のお墓にて Memorial service が持たれます。
『神様の導き・上』
証し:ジョン・カルロ
この度、こうして証をさせていただけることを光栄に思いま す。また私がキリストを知るに至った個人的な体験を 皆さんにお伝えできることを感謝します。
私の父はメキシコからアメリカに移住してきて、テキ サスの国境の町で私の母に出逢いました。私は家族 の中で 3 番目の子供です。当時両親はまだクリスチャ ンではありませんでした。そのためかギクシャクした関 係が続き、やがて両親は離婚しました。
母は私達を連 れてテキサスを離れ、ノースカロライナに移りました。 この時を最後に大人になるまで父とは連絡が途絶え ました。私の子供時代は打ちひしがれたものでした。
ノースカロライナに着いてからはたくさんの新しいこ とを経験しました。そこは田舎でしたので人が尐なく、 自然に囲まれていました。私が初めて神様について聞 いた時のことは覚えていませんが、確かノースカロライナにいた時だったと思います。
誰かが私に小さな聖 書をくれたことを覚えています。彼らは、この本が私の 悪夢を取り除いてくれる、と言いました。その頃私は聖 書がどんなものか何も解っていませんでしたが、ただ 特別な本だということは知っていました。
ある日のこと、神様は私を取り扱い始められまし た。私が空を眺めながら草の上に座っていると、神様 が私の心に語りかけ、宇宙の創造者であることを明ら かにされました。次に神様は、私に聖書を読むように と言われました。
それはちょうど、私が自分の部屋に 入った時のことで、まるで磁石のようにその小さな聖 書に引き寄せられる感じでした。しかし私の若き反抗 心が、この特別な本を読むことを拒んだのです。その 代わりに私は遊びに興味を持ちはじめ、それからは神 様への反逆が始まりました。
さて、私がどのような家庭で育ったかを正直にお話したいと思います。どういうわけか私の母は、結婚相手を上手に選べない傾向があり、私が18 歳になるまでに母は3回も離婚しました。母と義父は喧嘩ばかりして、時どき警察沙汰になることもありました。
義父のひとりはアルコ ール中毒でした。ある夜彼はとても酔っていたせいもあり、 彼と母が私たちの家で霊(悪霊)との接触にどれだけ疲れていたかを話してくれました。
彼の告白は、私の兄たちや友人たちが私たちの家で感じていた不思議な現象を裏付けるものでした。ところが、私が救われて数年後、母はこの良くない生き方を悔い改めてキリストを信じました。
キリスト無しで育った私は、物質的なものに執着し、人 に受け入れられることを求めました。幸せな家庭を得たいと悩んだあげく、私は15歳で母のもとを去り、親友と彼の母親と一緒に住むようになりました。この家庭は争いも尐なく私は幸せでしたが、まだキリストを知りませんでした。私はこの世のものを追い続けました。
年を重ねるごとに、 暗闇に向かう私の歩みはさらに悪化していきました。私はさまざまな種類のストリートドラッグを使うようになり、高校 卒業後は、ドラッグを売るようになりました。私の愚かな心 は、これが生きるための最良の方法だと思いました。
私は 高校卒業後、二度逮捕されました。二度目の逮捕は、ドラッグに酔った状態でした。私はどうやってそこにたどり着い たか判らないまま、縦 5 フィート横 8 フィートの独房で目を覚ましました。私は考えた末、保釈ではなく刑務所で過ごすことを決めました。
振り返れば刑務所に入ったことは、これまでに起こった中で最高のことでした。なぜなら、そこで私はキリストを信じることがで きたからです。受刑者が独房にいる平均時間は1日約15 時間でした。ノースカロライナ州では、各受刑者に聖書が 渡され、私も受け取りました。
私は聖書のどこにイエスのことが書いてあるのか全く分かりませんでしたが、同房者のひとりが私にどこを読めばいいかを教えてくれました。私 は新約聖書の最初の書であるマタイの福音書から読み始 めました。
イエスの奇跡について読むのは驚くべきことでし た。神は再び私の心に働き始められました。イエスのこれ らの物語は、ただ私が耳で聞いただけではなく、私の心に 感銘を与えました。そして、とうとうイエスの十字架上の磔 の個所に来ました。だれも福音の話を説明してくれる人は いませんでした。 (続く)
編集室・気まま便り
5 月末のメモリアルデ ーは、天国に先出った 愛する人々を偲ぶ時で ある。日本でいうお盆 に似ているかもしれな い。花を携えてお墓参 りをする人々が多い。 その後、家族や親戚が 集まり故人を偲ぶひと 時を持つ家も多いことでしょう。
ただ、死について又 死後についての考え方 や捉え方が、仏教とキ リスト教では大きく違 う。それはイエス様を 救い主として信じる者 は、死後肉体は滅びて も魂は永遠に生きると いう事が聖書で約束さ れているからである。 従って、お葬式自体キリスト教では天国への凱旋という思いと、再び会えるという希望が 与えられているので、 悲しみの中にも安堵感と喜びさえ伺える。
神様の約束は、このように行き届いた愛に 満ち満ちたものであることに感謝があふれ る。
MN
△▼△▼ LVJCC キリスト教 Q&A △▼△▼
Q エゼキエル戦争とはどんな戦争ですか?
A 最近、「エゼキエル戦争」という言葉をよく 耳にするようになりましたね。それはおそらくその時 が近づいてきたからだろうと思われます。限られた 紙面では十分な説明ができませんが、簡単に言えば、エゼキエル戦争とは、旧約聖書のエゼキエル 書 38 章に預言されている戦争のことです。そこに は、まるで現在の中東情勢がそのまま当てはまるようなことが書かれています。現実にそれが目の前で起こり始めているのが今の時代だと思われます。 エゼキエルは、紀元前 6 世紀頃の預言者です が、今から 2600 年も前に神の霊感によって将来 起こる戦争を次のように預言したのです。
さらに、私に次のような主のことばが あった。 「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であ るマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、言 え。神である主はこう仰せられる。
メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。わたしはあなたを引き 回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの 全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や
騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。 ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾と かぶとを着けている。ゴメルと、そのすべての軍隊、 北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、そ れに多くの国々の民があなたとともにいる。備えを せよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団 も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。 (エゼキエ ル 38:1-7)
エゼキエルは、当時の国名や地域の名前を使っ て預言をしています。「メシェク」とは「モスクワ」、「ト バル」とは「トボリスク」の語源で、この二つの領域を 束ねるのが「ゴグ」です。「マゴグ」とは黒海あたりを 示します。
「ゴグ」は現在のロシア、 そして、「ペルシ ャ」は現在の「イラン」、「クシュ」は現在のスーダン、 「プテ」は現在のリビア、「ベテ・トガルマ」は今のトル コ地方です。つまり、エゼキエルは、終わりの日にな ると、ロシアとイランとトルコとリビアとスーダンが同盟 を組み、ある国に一気に攻め込むと預言したので す。エゼキエルは、そのある国の様子について次の ように預言しました。
多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わり の年に、一つの国に侵入する。その国は剣の災 害から立ち直り、その民は多くの国々の民の中か ら集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々 に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ 出され、彼らはみな安心して住んでいる。(エゼキ エル 38:8)
イスラエル民族は、バビロン捕囚ののち、イスラエ ルの地に帰還しました。そして、紀元 70 年、イス ラエルはローマ帝国に滅ぼされ、世界中に離散し たのです。それから約 1900 年の間、ユダヤ民族 の帰還を信じる人はわずかでした。ところが 1948 年、イスラエルは奇跡的に再建され、世界中の 国々からイスラエルの民が帰還したのです。
この預言は、イスラエルの地に世界中の国々か ら集められたユダヤの民が住んでいることが前提と なっています。ですから 1948 年以前は、この預言 が成就する可能性はありませんでした。
しかし、イ スラエルは預言どおり国を再建し、この預言がいつ でも成就できる舞台は整ったのです。ゴグの同盟 軍は、突如としてイスラエルに侵攻します。それは 聖書によれば、イスラエルが安心している時です。 イスラエルが平和な時、ゴグの同盟軍がスキを突 いて進軍するというのです。(エゼキエル 38:11)
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