ラスベガス日本人教会
DesertWind・ニュースレター June, 2020
『試練の意味と目的』(へブル12:4-11)
LVJCC 牧師:鶴田健次
人生には様々な試練や苦難が付きものです。そして、その度に、人は大変な思いをします。まさに今回の新型コロナウィルスも、世界中に多くの死者と深刻な経済危機をもたらしています。
このように、私たちの人生には、思いがけない試練や苦難がふりかかることがあるものです。しかし、聖書を見ると、試練や苦難は、人を苦しめるためのものではなく、神様はそれを良い事のために用いて下さるのだ、ということが教えられています。
試練や苦難を、嘆き悲しむという世界でしか受け止める事が出来なければ、人生は辛いものです。しかし、どんな試練も、そこに素晴らしい意味と目的があるとすれば、そこには全く違う世界が広がっていくのではないでしょうか。
神様は、あなたを永遠の滅びから救い出し、あなたに永遠の命を与えるために、あなたの代わりに、ご自身の尊い独り子イエス・キリストの命を犠牲にされました。それ程までにあなたを愛しておられる神様は、いつも、あなたのためになる事だけを考えていて下さるのです。ですから、すべての出来事をそういう観点から見ていければと思います。
へブル書12章7節を口語訳で見てみますと、「あなたがたは訓練として耐え忍びなさい。神はあなたがたを、子として取り扱っておられるのである」と書いてあります。つまり、神様は、愛する私たちを素晴らしい目的のために訓練なさる時、試練という手段をお用いになるのだということです。
旧約聖書の申命記32章11節にこんな言葉があります。「わしがその巣のひなを呼び起こし、その子の上に舞いかけり、その羽を広げて彼らをのせ、その翼の上にこれを負う。」 つまり、ここでは、こういうことが言われているのです。 「ある所に海面から100mもあろうかと思われる断崖がそびえ立っています。そして、その高いところに岩棚があり、そこにわしの巣があって、親わしの宝である二羽のひながいます。
よく注意して見ていると、しばらくして親わしが戻って来ます。そして、突然、巣をゆすぶり、そのくちばしでひなたちを絶壁のふちに押しやって、そこから落としてしまうのです。すると、ひなたちは翼をバタバタさせながら、まっ逆さまに落ちて行きます。
やがて、親わしは、そのひなのところに物凄いスピードで舞い降りて行って、その大きな翼を広げ、その上にひなたちを乗せ、またもとの巣のところまで運んで来るのです。そして、この同じ事を繰り返します。何度も何度も絶壁から放り出し、翼に乗せて助けながら、やがて、ひなたちは大空を飛べるようになるのです。」
そして、先ほどの申命記の次の節を見ると、「そのように、主はただひとりで彼を導かれた」と書かれています。つまり、神様は、親わしがその翼をもってひなを訓練するように、全能の御手をもって、私たちが元気よく羽ばたくようになるために、ひとりで私たちに付きっきりで訓練をされるのだというのです。
神様は、しばしば、私たちの人生の巣を揺り動かされることがあります。私たちの希望を失望に変えられることもあります。私たちの確信を引き下ろし、私たちを恐れさせ、不安にさせることもあります。
そしてその時、私たちは急に力を失い、疲れ果て、望みを失くしてしまいます。しかし、その背後で、休む間もなく神様は翼を広げて私たちを守ってらっしゃる。そういう隠された一面をこの申命記の御言葉は教えてくれるのです。
私たちは、それらの試練を神様との関わりの中で受け止めていくときに、その経験を通さなければ知ることの出来なかったことを知り、その試練を経験しなければ学べなかったことを学ぶのです。
そして、その体験に基ずく貴重な知恵が、やがて私たちの人生に素晴らしいものをもたらすことになるのです。だから「あなたがたは訓練として耐え忍びなさい」と聖書は勧めるのです。
Desert Wind 2020年 6月号・ニュース
◆ 新型コロナウィルスの感染拡大のため、二ヶ月半の間、教会での礼拝を持つことができませんでしたが、いよいよ6月の第一日曜日から再び教会で礼拝を持つことになりました。
『今わかる 導かれていたことが』
証し: 坂東 一郎
私は、1935年に四国徳島の河野村という田舎で、5人兄弟の三男として生まれました。前に山、後ろに川という伸び伸びとした自然環境の中で、野山を走り回るガキ大将として育ちました。終戦の時は10歳で、山の向こうの徳島市内が、空襲で空が真っ赤に染まり、花火のようにみえました。その中を妻(当時3歳)が逃げ回っていたとは夢にも思いませんでした。
学校を卒業して、東京の高円寺に就職し、28歳で結婚し、一人娘の一美が生まれました。職業は、材木店で24年間働き、後に水道設備の仕事に転職しました。リタイヤするまで、私は仕事だけで、家の事、子供の事は妻に任せっきりという典型的な日本人男性で、平凡に生きて来ました。
そんな中、子供はアメリカに留学し住むようになりました。2005年の春、子供からアメリカで一緒に住まないかとの誘いに、“いいよ、行く行く”と二つ返事で答えてしまいました。妻はまだ仕事に未練があったようです。
住んでいた東京の家を処分し、3ケ月後にはラスベガスに来ていました。しかし、手違いがあり、3年の間、日本とアメリカを行ったり来たりで、どうしたものかと本当に困りました。日本では住む家もなく、そのために兄弟の家で世話になることになりました。おかげで、疎遠になっていた兄弟姉妹とは仲良くなり、もっと絆が深まりました。そして今は、毎日のように電話で話しています。
ラスベガスに来た時は、すでにクリスチャンになっていた娘に教会に連れて行ってもらい、たくさんの友達にも恵まれ、お祈りもしてもらい、多くの励ましを受けました。その間、入門クラスを受け、イエス様の愛と十字架の意味が解り、夫婦ともイエス様を信じて洗礼を受けることができました。この頃から、日本とアメリカの往復が楽しくなりました。神様の御心でこのようになったと思えたからです。
2009年に、グリーンカードも無事に取ることができ、ドライバーライセンスも9回目に取れました。これでやっとアメリカに住めるようになり、長い道のりでしたが、諦めずにやり遂げる事ができたのも神様の励ましがあったからです。
ラスベガスには今、娘家族3人、私達夫婦と、近くに住んでいる留学で来た私の姪っ子を合わせて家族6人になりました。皆健康で、感謝な毎日を過ごしています。その姪っ子の光世も、去る6月19日の礼拝において洗礼の恵みにあずかり、私達家族の長年の祈りが聞かれたことを心から主に感謝します。このように神様は、私達が熱心に捧げる祈りを聞いて下さる事を経験しました。これからは日本にいる兄弟姉妹が一日も早く救われる事が祈りの課題となりました。
子供の世話を妻に任せっきりだった以前の私は、毎日孫の世話をする事で日本での妻の苦労がいかに大変だったかを身にしみて感じ、今は妻に心から感謝しています。毎週金曜日に持たれる松岡兄弟の家での聖書の学びに参加していますが、それが楽しくてしかたがありません。やはりクリスチャンは神様の御言葉によって養われ、霊的に成長するのだということを思い、このような機会が与えられていることを主に感謝しています。
2005年の春、人生の大半を過ごした日本を離れ、遠いアメリカの地で永住する決断をしたのは自分だと思っていましたが、今はすべてが神様の計画の中で、この地に導かれたのだと分かります。
真の神様との出会いにより新しく生まれ変わった私は、これからの生涯を、神に仕え、教会の働きを担い、豊かな勝利の人生を歩んで行きたいと願っています。神様を主として歩む私の人生は、なんと恵まれ感謝に満ちあふれたものでしょうか。私達夫婦を導き、祈ってくれた娘の一美、それから背後にあって多くの祈りで支えて下さった兄弟姉妹に心から感謝します。
「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだのである。そして、あなたがたを立てた。それは、あなたがたが行って実を結び、その実がいつまでも残るためであり、あなたがたがわたしの名によって父に求めるのはなんでも、父が与えて下さるためである。」 (ヨハネ15:16)
編集室・気まま便り
日本の国際ニュースで発達障害者についての報道があった。その中でも自閉スペクトラム症の人達は言語の発達に障害があるために人とコミュニケーションが取れないが文章ではできる。そのために職場の環境を整えてあげると、細かい事に集中できるという特性を生かして仕事ができる。
その報道によると、現在ハリウッドの映像の修正の分野やシリコンバレーの4分の1の労働者は発達障害者であるといわれていた。自分の短所が長所となるという発想の転換によって、自信を持って社会に貢献し、精神的にも経済的にも自立した生活ができるようになり、育てた母親が涙を浮かべて喜んでいた。
神様が創られた人は皆高価で尊いのみ言葉が頭に浮かんだ。世界中の国々が皆そうであってほしいと願う。
MN
△▼△▼ LVJCC キリスト教 Q&A △▼△▼
Q 「コロナの収束は、新薬やワクチンが出来た後つまり来年以降だそうですが、世の中は1929年から始まった世界恐慌以上のクラッシュが予想されます。私達キリスト者はそのような混乱の中でどう生きればいいのですか?」」
A
新型コロナの感染は南極を除く地球上のすべての大陸に広がりました。コロナの収束時期に関しては、今回のウィルスの感染経緯をどう見るかによってその推理は違ってくるでしょうが、いずれにせよコロナの収束は持久戦になる可能性が高いように思います。そうなると世界経済への打撃がさらに深刻化するのは必至です。
2000年のITバブル崩壊や2008年の世界金融危機も世界を揺るがしましたが、新型コロナが世界に与える影響はその比ではなく、ここ数か月の間に画期的な治療薬が発明されれば別ですが、さもなければ1929年の世界恐慌のような大恐慌を招くかも知れません。
そもそも大恐慌というのは破壊的経済危機を意味する言葉で、金融システムが崩壊し、企業倒産が相次ぎ、失業者が街にあふれ、通貨の暴落、ハイパーインフレが訪れる、などです。もし新型コロナの収束に何年も要するとしたら、間違いなくこれらの要素をすべて満たし、大恐慌になることは誰もが描くシナリオだと思います。
しかし今回のコロナ危機は、単に世界的な大恐慌をもたらす可能性のあるものとして見るよりも、聖書の終末預言を知る者にとっては、むしろ患難時代の前兆となる「時のしるし」として見るべき事柄だと思います。
聖書には人類文明の正体が明らかにされています。それによれば、人類文明の始まりはシュメール文明です。シュメール文明はバビロン文明とも呼ばれますが、聖書はこの文明の特徴を、ある人物で表しています。
それはニムロデという人物です。彼は世界最初の独裁者でした。彼は神に反逆する者で、自分を頂点とする階級制度を作り、国を支配するシステムを発明しました。これが彼の正体であり、後に興るすべての王たちはニムロデのコピーに過ぎません。
聖書はまた、バビロン文明の始まりだけでなく、その終わりまでも伝えています。このバビロン文明の直系にバビロン、メディア・ペルシャ、ギリシャ、ローマという4つの帝国が興りましたが、これらの帝国もすべてバビロンのコピーであり、神に反逆する勢力です。
また聖書によれば、この4番目のローマは、終末時代に再び姿を変え、復興ローマ帝国として台頭することになっています。これが大バビロンです。この帝国に最後のニムロデとも言うべき独裁者反キリストが現れ、イスラエルを絶滅の危機に追い詰めますが、再臨のキリストに打ち滅ぼされてしまいます。こうして、バビロン文明は終焉を迎え、世界の歴史に終わりが訪れるのです。
聖書は患難時代の「前兆のしるし」として、偽キリストの出現、戦争と戦争のうわさ、大地震、疫病、ききん、人々の愛が冷える、快楽主義と空想話、モラルの逆転などを挙げていますが、コロナ危機もこの中に含まれる現象だと思います。私たちはこれらのすべてが現実となっている時代に生きていることをもっと自覚すべきです。
イエス様は弟子たちに、「これらのことが起こり始めたなら、からだをまっすぐにし、頭を上に上げなさい。贖いが近づいたのです」とおっしゃいました。
イエス様は、これらの「時のしるし」を見たら、クリスチャンは頭を天に向けなさい、と命じられたのです。なぜでしょうか。それは教会の贖い(携挙)が近づいているしるしだからです。
今日の多くのキリスト教会では、キリストの福音の真理が語られなくなりました。この世の成功や繁栄の話が好まれ、神の正義や裁きや罪といった話は不人気なので、人々の好む話だけをする傾向にあります。ついには聖書の教理を否定する牧師も出てきました。
同性愛を公然と認める牧師もいます。彼らは柔和で敬虔そうに見えても、聖書の教理を否定する者たちです。今や教会が世の腐敗を止める地の塩の役割を果たせない時代が来たのです。背教が起こり、教会が堕落することは、聖書の預言どおりです。
だからこそ真のクリスチャンは、聖書信仰に固く立ち、キリストの証人であることを自覚し、花婿なるキリストを迎える者にふさわしく生きるべきです。
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