LVJCC・ニュースレター | July, 2021

ラスベガス日本人教会

DesertWind・ニュースレター July, 2021

『聖霊による変革』(ローマ書12:2

LVJCC 牧師:鶴田健次

 

ローマ書12章の1節と2節は、12章以降のクリスチャン生活における実践の勧めの土台となる非常に重要な部分です。前回は12章1節から『当然の献身』というタイトルで書きましたが、今回はその続きで12章2節から『聖霊による変革』ということでお話します。

まずパウロは、1章から11章において、神は罪のために永遠の裁きが定められている私たちを愛し、御子イエス・キリストの命という計り知れない犠牲を払って信じる者の罪を赦し、永遠の命の恵みを与えて下さったことについて説明しました。

そして、その恵みが本当にあなたのものになったのであれば、あなたは、心から溢れる感謝をもって、自分のすべてを神にささげて生きることが最も理にかなった、当然のことではありませんか、というのが12章1節におけるパウロの主張でした。

続けてパウロは12章2節で、そのように生きるために、「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい」と勧めるのです。

① この世と調子を合わせてはいけない

まず聖書翻訳のことに触れたいと思いますが、2節の最初の部分は、新改訳聖書では「この世と調子を合わせてはいけない」と訳されていますが、「調子を合わせてはいけない」と言えば、「自分が合わせてはいけない」という意味で、合わせるか合わせないかを決めるのは「私」ということになります。

しかし、原語のギリシャ語では、この命令は受身の動詞が使われています。つまり、ここは「この世と調子を合わせることをさせられてはいけない」ということで、その受身の意味を理解することは大切です。

受身というのは、外部からの働きかけを受ける側に立つことで、それは私たちに対して常にこの世の影響があるということです。それはサタンが作り出しているこの世の価値観であり、その型に私たちをはめ込もうとして、この世が私たちを攻撃してくるのです。

そこでパウロは、そうした現実を前提に、「この世が私たちに対して影響を与えるとき、それに影響されることをさせてはならない」と言っているのです。

② 心の一新によって変えられなさい

2節にあるもう一つの命令は、新改訳では「心の一新によって自分を変えなさい」と訳されています。しかし、これも原語のギリシャ語では受動態なので、本当は、「心の一新によって自分を変えていただきなさい」と訳すべきです。

「変える」という動詞は、ギリシャ語で「メタモルフォ―」と言います。これは、内側から変化することを意味します。たとえば芋虫が蝶になる工程をメタモルフォ―と言います。それは自分で出来ることではなく、神様にしていただくことです。だから、ここは受動態でなければならないのです。

もしこれが能動態で、自分で自分を変えるとすれば、頑張れば頑張るほど、それができない自分に苦しむことになります。まさにローマ書7章にある「罪の原理」の中で葛藤するクリスチャンの姿です。しかし、キリストにある者は「御霊の原理」の中で生きる者であり、御霊によって変えていただける者なのです。

では、私たちは何もしないでいいのかというと、そうではありません。私たちの側にも責任があります。それが、「心の一新によって」ということです。ここで「心」と訳されている原語は「脳」を意味する言葉で、御言葉に対する私たちの知的理解を新たにするという意味です。そうすれば、聖霊の働きによって自分が変えられていくのです。

③ 聖霊による変革の目的

では、この世と調子を合わせず、心の一新によって自分を変えていただくことによって、私たちは何をすることができるのでしょうか。2節の後半を見ると、「神のみこころは何か。すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために」とあります。

これは、御言葉によって神様に関する知識を更新することによって、何が良い事で、神に受け入れられ、完全であるのかを判断できるようになるということです。

クリスチャン生活は、神の御心をわきまえ知ること無しに、何も意味のあることは生まれてきません。自分が何かをしても、それが神の御心にかなっていないなら、神の前では無意味なことなのです。クリスチャンの基本姿勢は、まず神の国と神の義を第一に求めることです。

神の国を求めるということは、この世の流れに逆らって進むことです。パウロは、私たちがこの世の流れに逆らって正しく歩み、それによって、この世に対して影響を与えるように勧めています。つまり、自分の全てを神にささげ、この世の影響に「ノー」と宣言し、御霊によって変えられることを真剣に求めるようにと勧めているのです。



Desert Wind  2021年 7月号 案内・ニュース

7月7日(日)は日英合同礼拝です。メシアニックジュ―教会からRichard Hill牧師をお迎えし、『時のしるし』というタイトルで今の時代に相応しいメッセージを執り継いでいただきます。ご期待ください。

◆  7月11日(日)の礼拝後に日英合同で役員会が持たれます。 役員の働きのためお祈りください。

◆  7月18日(日)の礼拝後に一年に一度の教会総会が持たれます。

夏の期間は、毎週月曜日のZoomでの聖書クラスは9:00AMから持たれます。どなたでもご参加ください。



『戻って来た放蕩息子』(下)

証し:タッド・セイガー

 

しかしこれで物語は終わりませんでした。それどころか、新しい出発が待っていました。というのも、私はまだまだ成長しなければならなかったからです。

私は神の言葉である聖書に、自分が選んだ時だけではなく、人生をかけて忠実であること、全てを神様に委ねることの大切さ、中途半端な信仰は信仰ではないとの気付きを与えられました。そこで、30年ぶりにして教会に毎週通うようになりました。また教会での奉仕やリトリートにも参加するようになり、洗礼を受ける恵みにも預かることが出来ました。

そのような中、いつか結婚したいという願いが起こされるようになりました。そして次に機会が与えられた時には、神様にその導きを祈ることを心に決め、クリスチャン女性と、聖書の教えに従ってお付き合いを進めることを心に固く決めました。

ある時私の祈りは聞き入れられ、他の女性にはない美しいさを持った、優しく素敵なクリスチャン女性に出会いました。その女性に一目惚れをしてしまった私は、彼女が去ってしまった瞬間に心にぽっかり穴が空いてしまい、また再び会わなければという思いに駆られました。

それから遠距離の交際が始まったわけですが、神様に祈り導きを求めれば求めるほど、平安が与えられ、やがて結婚のことも真剣に考えるようになりました。でも、お付き合いしていくなかで乗り越えていかないといけないチャレンジも出てきました。

時に神様に頼って祈るよりも、その壁に押しつぶされそうになりました。でも彼女がいつも忍耐を持って支え、その強い信仰が、主に全き信頼する事の大切さを思い出させてくれて、色々な障害を乗り越えることが出来ました。

彼女とお付き合いを進めていく中で、私の信仰はさらに強くされ、私たちが毎日共に祈ることを習慣としていくうちに、聖霊様は私たちの生活を動かし、壁として立ちはだかっていたものが一つ一つ解決されていき、気がつけば、私たちが結婚することを隔てるものは最後には全く無くなっていました。

神様は信じるものたちに対して、とても情け深く誠実です。2020年の夏に、コロナ禍の真っ只中、私たちはささやかではありましたが、美しい結婚式を挙げることが出来ました。私は人生と信仰を共有し、共に主に仕えられる妻が与えられて、本当に祝福されていると思います。

思えば、私は人生の若い頃に家を出て、自分の人生は人の助けを受けないで自立して生き、自分のやりたいことをして人生を楽しもうと思って生きてきました。神様を人生の中から消し去ったわけではありませんでしたが、私の中で神に頼るのは困った時や心配事がある時だけと決めていました。

それから何年も経って、沢山の涙を流した後、ようやく私は自分の神との関係の間違いに気がつき、神の懐に走って戻っていったのです。もし私が神様に信頼し、その導きを求めながら人生を生きてきたなら、今まで経験してきた痛みや苦しみの多くから守られたかもしれません。

多くの時間と痛い経験をして学んだことは、私の人生は自分の思ったようには行かないということでした。もし私が神様に、全ての困難や心配事をお委ねすることを知っていたら、どれだけ気持ちを楽にして人生を生きてこれたでしょう。“イエス様が私の全ての罪を背負って、私の代わりに十字架に掛かり死んで下さった” その事を信じるだけで救われる。

肩からなんという大きな重荷が取り除かれるその恵みのメッセージを、若い頃に何度も聞いたのにも関わらず、なぜ自分の事としては受け入れてこなかったのでしょう? でも、そうです、私は今その事を心から信じています。

そして古い自分の人生には戻りたくありません。母は長年の間私の為に祈ってきてくれていました。そしてその積まれた祈りが聞かれ、私に信仰に立ち返るように導いてくれたと思います。

その事を思う時に祈りには力があります。そしてその祈りの力を信じて、私は息子がいつの日か神様を知る日が来ることを信じて祈っています。

 



編集室・気まま便り

NHKのテレビ放送が開始されたのは1953年という事で、1983年に30周年記念番組が放送されたのをユーチューブで見た。

「この歌この人30年」というタイトルで鈴木健二アナウンサーが司会で、懐かしい歌手や俳優の他、高橋圭三、小川宏、宮田輝といったアナウンサーも出演していた。

放送機器の変化について説明があり、科学の目覚ましい発展と中継放送の苦労等々大勢の人々が働き成り立っている事も興味ある内容だった。

今では海外に住む私達が日本語放送を24時間見る事ができ、ドラマの他に政治、経済医学、科学等々最新の知識を得る事ができ多くの恩恵を受けている事に感謝した。MN



 

LVJCC キリスト教 Q&A

Q プロテスタントとカトリックの違いは何ですか?

A まず、キリスト教の事実上の始まりは、イエス・キリストが天に昇られたあと、10日ほど経って聖霊がこの世界に来られ(その時エルサレムは五旬節のお祭りで世界中のユダヤ人がお祝いのためにエルサレムに来ていました)、聖霊の働きによる不思議な出来事を通して、エルサレムにいたユダヤ人たちの中から3000人がその場でイエス・キリストを信じました。これが世界で最初の教会です。

この教会は、聖霊を受けた使徒たち(キリストの十二弟子)やその他の信者たちによって発展し、一世紀の終わり頃には、ギリシャやローマのほとんどの世界に広がりました。しかし、このように広がった結果、次第に言葉や民族性、また神学的、政治的事情の相違から、東と西に別れ、東方の教会はギリシャ正教会となり、西方の教会はローマカトリック教会として、それぞれの道を歩んでいくことになりました。

このローマカトリック教会は、ローマの司教、つまりローマ法王を地上におけるキリストの代理者、また教会の目に見える首長として、信仰面でヨーロッパを治め、中世の時代を支配してきました。その強大な勢力の中で、教会は次第に信仰的に堕落し、神の唯一の言葉である聖書に反する教えを一部説くようになりました。

たとえば、①煉獄(れんごく)についての教え・・・罪の償いを果たしていない魂が一時的罰を受ける所。②ミサの犠牲・・・ミサ聖祭として司教が父なる神にささげる犠牲。③司祭の権威。④聖母マリヤは原罪がなく、昇天した。⑤聖母マリヤや諸聖人に対する崇敬。⑥七つの礼典。このような聖書の教えに一致しない教えを説くことで教会は形骸化し、命のないものになってしまったのです。

そこで、16世紀、マルチン・ルターを代表とする宗教改革者たちが、激しい迫害に遭いながらも、その教えの本質的な問題に対し、「私たちは聖書の本来の教えに帰らなければならない」とプロテストを起こし、聖書に忠実な教えを基にした教会を別に持つようになりました。これが旧教(ローマカトリック教会およびギリシャ正教会)に対し、新教(プロテスタント教会)と呼ばれるものです。

しかし、大切な事は、もちろん教会の呼び名ではなく、信仰の実質である「救い主イエス・キリスト」との関係です。罪のために永遠の滅びを定められている全人類にとって、その永遠の滅びという絶望から救われるためには、イエス・キリストの十字架の贖いを信じる信仰による以外ありません。

この全人類が抱える最も重要な課題の前には、マリヤや聖人と呼ばれる人々も何の力もない罪人であり、彼ら自身もキリストを信じる信仰によらなければ、自分たちの罪の問題を解決できないのです。

もちろん、彼ら自身はその事をよく承知していたことでしょう。しかし、後の時代の人々が、彼らの信仰の素晴らしさのゆえに、彼らを、そうしてはならない崇拝の対象に祭りあげてしまったことは大きな間違いだと言えるでしょう。

 



 

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