目的論的証明は、自然界に存在する秩序の合目的性(ある事物が一定の目的にかなった仕方で存在していること)から、その創造者である神の存在を証明する方法です。宇宙やすべての生き物はきわめて精妙かつ、壮大な秩序と統一と一貫性、また組織原理を持っています。太陽や星の運行を見れば、その規則性には驚くべきものがあります。あるいは、植物の花や葉や枝などを見ると、信じ難い精巧さで造られています。また動物の身体などは、もっと精巧で素晴らしく、人間となると、さらに遥かに精巧です。しかも自然世界は、草を食べる生き物がいれば、動物を食べる人間が存在し、空から降る雨は、適切な季節に大地を潤し、植物の生長を促し、その実の熟成を太陽の光が促します。
このような精巧な世界と自然の仕組みは、調べれば調べるほど、精巧かつ精妙で、人間の思考力や技術を遥かに超えています。世界に、このような精巧な仕組みや因果が存在するのは、至高の創造者の存在が前提になければ説明がつきません。つまり自然界は、その高度な目的的な仕組みと存在のあり方で、まさに神の存在を明らかに証明しているのだ、というのが目的論的証明です。
200年以上も昔のことですが、英国国教会の牧師で哲学者でもあったウィリアム・ペーリーは、神の英知を示すため、複雑ながらも合理的でもある宇宙のデザインは、「偉大なる時計職人(神の比喩)の仕業」であると寓話を用いて主張しました。彼は、「あなたが何もない草原で腕時計を見つけたとしたら、あなたはその腕時計が偶然に何もないところから出来たのではなく、どこかの時計職人が製造したに違いないと結論を下すだろう」と言いました。つまり、名人の時計職人のみが複雑な時計の中身を創造できるように、全能の職人(神)だけが驚くべき宇宙を創造できるのだ、というのです。
ペーリーの議論は以下の通りです。
・ 人間の工作物は知的構想の産物である。
・ 宇宙は人間の工作物に類似している。
・ したがって、宇宙は知的構想の産物である。
・ しかし宇宙は、人間の工作物と比べて、とてつもなく複雑で巨大である。
・ したがって、おそらく、宇宙を創造した無限の力と知恵を持つ知的設計者が存在する。それが神である。
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