地球は丸い。現代人なら、この事実を誰もが知っています。宇宙船や月から撮った地球の写真を見れば一目瞭然です。ところが、この当たり前の事実も、古代人にとっては想像もできないことで、昔は地球は平面であると考えられていたのです。
地球が丸いと考えはじめたのは、ギリシャの哲学者また数学者であったピタゴラス(紀元前6世紀)とその学派の人たちだと言われています。その後、アリストテレス(紀元前4世紀)が、月食のときの影の形を見て地球が丸いことを証明しようとしました。月食の影が地球の影であることを知っていたからです。また彼は、天動説を想定し、後のプトレマイオスによる天動説の体系作りに貢献しました。天動説は、「地球が動いたら、地球上のすべてのものが飛ばされてしまう」ということで、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)が地動説を唱えるまで、長い間支持されました。
しかし、ピタゴラスやアリストテレスよりも古い紀元前8世紀ごろに書かれた旧約聖書のイザヤ書を見ると、驚くべきことに、地球が”丸い”ものとして造られたことが既にはっきりと記されていたのです。
「主は地球のはるか上に座して、地に住む者を、いなごのように見られる」(イザヤ40:22)
この「地球」と訳されている言葉は、原語のヘブル語では「地の円」を意味するもので、地球は、はるか上から眺めると、円形に見えるという描写です。この世が地球は丸いのではないかと考え始める前に、聖書は既に丸い地球を明らかにしていたのです。
聖書にはまた、地球の地軸の傾きについての描写もあります。今から約3000年ほど前に書かれた旧約聖書のヨブ記に、こういう言葉があります。
「神は北を虚空に張り、地を何もない上に掛けられる」(ヨブ記26:7)
「神は北を虚空に張り」という表現の「張る」と訳された言葉は、原語のヘブル語では“natah”と言いますが、これは「傾ける」とも訳される言葉です。たとえば創世記24:14で、「水がめを傾けて私に飲ませてください」という部分にこの言葉が使われています。つまりヨブ記の言葉は、「神は北を虚空に傾け」という意味で、地球が何もない宇宙空間に浮かんでいるということだけでなく、地球の地軸が傾いた状態に置かれているということも言い表しているのです。
地軸とは、地球が自転する際の軸で、北極点と南極点を結ぶ運動しない直線を指します。地球の地軸は、公転面の法線に対して、約23.4度傾いています。地軸の傾きが日常生活に関係するのは、たとえば季節の移り変わりです。地軸が傾いていることから、夏には日が高く昇り、昼の時間が長く、冬には日が低く、昼が短くなります。つまり単位面積当たりの太陽エネルギーの照射量と日照時間が変化することで、季節が生じるのです。また北緯23.4度を走る北回帰線上では、1年に1度、夏至に太陽の南中高度が90度になります。これも地軸の傾きによるものです。逆に北緯66.5度(66.5=90-23.5≠23.4)の北極圏では、夏至には太陽が沈まず(白夜)、冬至には日が昇りません。
地軸は公転の影響を受けないため、常に一定の方向を指します。そのために天球の北半球と地軸の交点付近にある恒星(北極星)は、1日のどの時刻であっても、1年のどの季節であっても同じ高度(角度)に見えるのです。この高度は観測者の居る地点の緯度によってだけ決まるので、北極星の高度を測定すれば(もちろん北極星の見える北半球においてですが)、地球上のどの地点であっても緯度を計算できます。GPS(Global Positioning System=地球上の現在位置を調べるための衛星測位システム)などが発達する以前、数百年にわたって北極星が航海に役立ってきたのは、こうした地軸の性質によるものです。
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