DesertWind・ニュースレター November, 2023
『マラの苦い水が甘い水に』(出エジプト記15:22-27)
LVJCC 牧師:鶴田健次
イスラエルの民はモーセに導かれ、紅海を渡り、シュルの荒野を歩いて来ました。250万人とも言われるイスラエルの民が、シュルの荒野を通って、約束の地カナンに向かう中、どこを見ても草もなく、水もありません。彼らは喉が渇いて死にそうでした。彼らは「水をくれ!」と大声で叫んだことでしょう。
三日間、歩き続け、彼らがマラと呼ばれる所に来たとき、突然、先発隊から「水を発見したぞっ!」という嬉しい知らせが聞こえてきました。人々は我先にと、水のあるところに走って行きましたが、マラの水は苦くて飲めませんでした。
イスラエルの民は怒りを込め、モーセに恨み言を言いました。その時、モーセが主に祈り求めると、主が水のほとりにある一本の木の枝を示されました。そこでモーセがそれを水に投げ入れると、その瞬間、水が甘くなったのです。
① 苦い水を甘くした一本の枝
アダムとエバの堕落は、人間の心に「苦い水の池」を作りました。そのために、全ての人が、生まれた時からこの「苦い水の池」を心の中に持っています。これを聖書は罪と言います。人は毎日、その苦い水を朝から晩まで飲むので、心が悩みと悲しみと苦しみでいっぱいになります。
罪悪の苦い水、世俗という苦い水、心の病という苦い水、そして最も壮絶な死の苦い水があります。私たちは死の苦い水を飲んでいるので、命を保つことができません。死の苦い水を飲む者は、そのままでは必ず死の奴隷となり、永遠の滅びに陥ってしまうのです。
では、この苦い池の水を甘くするためにはどうしたら良いのでしょうか。モーセが危機に瀕して祈ったとき、神様が一本の木を示されたので、その木を苦い水に投げ入れたところ、水が甘くなったと聖書に記されています。
このマラの苦い水を甘くした木の枝は、ある何かを指し示しています。それは、私たちの内にある罪という苦い池の水を甘くする、つまり私たちの罪の問題を解決するイエス・キリストの十字架です。
② 心の苦い水を甘くされた者の義務
25-26節を見ると、マラの苦い水が甘くなったその場所で、神様は掟を授けられました。そして、十字架が投げ入れられて心の苦い水が甘くされた人、つまりキリストを信じる信仰によって神の子とされた人は、神様の御言葉に耳を傾けなさいと言われています。
私たちが、神様の御言葉に従順に聞き従うなら、私たちは永遠の命を得、聞き従わなければ、永遠の滅びを刈り取ることになるのです。私たちは神様の前で、義人らしく暮すよう心掛けなければなりません。
なぜなら、私たちは既に心の苦い水が甘くなって義を行なえる力を得たからです。神様は、私たちに「戒めを守りなさい」と言われました。苦い水から甘い水になった人の心は、神様の戒めを守り、神様を敬い、神様に従順に聞き従うことを喜ぶのです。
③ 私たちに約束された祝福
神様は、私たちの心の中の苦い水が甘くなって、神様の戒めを守ったら、必ずそれに対する祝福を与えると約束なさいました。26節にこうあります。
「もし、あなたがあなたの神、主の声に確かに聞き従い、主が正しいと見られることを行ない、またその命令に耳を傾け、そのおきてをことごとく守るなら、わたしはエジプトに下したような病気を何一つあなたの上に下さない。わたしは主、あなたをいやす者である。」
それからモーセは、主が言われることに聞き従うようにと勧められています。そして、そこには癒しが約束されているわけですが、それは「棚からぼた餅」式に与えられるのではなく、主が言われることに聞き従うところに現わされる約束です。
また神様は、「オアシスであるエリム」にイスラエルの民たちを導かれました。そこには、神様が備えられた十二の水の泉と七十本のなつめやしの木がありました。エリムとは、どんな所でしょうか。
「十二の水の泉」は、霊的祝福を意味します。また「七十本のなつめやしの木」は、富と成功を意味します。つまり、熱い砂漠の只中にきれいな12の泉の水が湧き出るのです。どんなに涼しく、爽快で、命に満ち溢れた水であったことでしょうか? これが神様が備えて下さる私たちの信仰生活です。
人生にはマラの苦しみがあります。しかし、その後にはエリムの祝福があるのです。だからこそ、マラでとどまることなく、エリムに向かって進まなければならないのです。
『神様へのコミットメント』
証し:薫 ケラー
2023年3月より「祈りのミニストリー」を再開しました。このミニストリーは私にとって神様へのコミットメントです。また、私だけではなく、ご参加しておられる皆様にとっても神様へのコミットメントだと思っていま す。
祈り会だけではなく、時間や労力を主の為に聖別し、各ご奉仕、婦人会やスモールグループの活動、また献金も私達一人一人の主に対するコミットメントだと思います。
コミットメントの意味を調べてみますと、その一つに、「行動の自由を制限する約束」とありました。私達の時間、労力などは限られていますので、何かにコミットメントをすれば、行動の自由は制限されてしまいます。私達は選択において自由ですから、行動を選択できます。
しかし、選択した中で喜んで奉仕や集会に参加できない事もあるかもしれません。私も時々、時間のやりくりにストレスを感じてしまうこともあります。しかし、ここで私達の神様へのコミットメントに対して力になる事をシェアさせて頂きます。
コミットメントの同義語にエンゲージメントという言葉があります。エンゲージメントの意味は「約束、婚約関係」とありました。聖書で私達は“キリストの花嫁”と呼ばれています。イエス様がいずれ私達を迎えてくださり、永遠の天国を与えてくださるのです。ですから、今の私達はキリストなる花婿のお迎えを待っている花嫁です。
婚約中というのは、花嫁になる日を待ちつつ、幸せな日々を過ごすものだと思います。また結婚準備期間として、相手の方と良い関係を保つ思いも与えられますし、自分自身をお相手にふさわしく整えたいと願う期間でもあると思います。
ですから、私達がコミットメントしている奉仕や集会への参加は、キリストの花嫁として、ふさわしい過ごし方であると思います。もし、自分の好みのままに行動を選択していては、怠惰な生活となり、クリスチャンとして相応しい婚約期間を過ごせないで
しょう。
私達の生まれながらの性質に個人差はあるものの、思いが変わりやすく、自分の好みのままに行動をする性質があると思います。強い継続力や意思がある方でも、モチベーションとゴールにより、異なる行動の選択をするのではないかと思います。私達の行動のモチベーションは、イエス様への愛であり、イエス様の再臨を待ち望む、キリストの花嫁の思いにあたいすると思います。そしてゴールは天国です。
聖書ではキリストの再臨に備えてどのように過ごすことを勧めているでしょうか?いくつもの勧めがありますが、一つには「あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。 そのために、目を覚ましていて、すべての 聖徒 のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい」 (エペソ6:18)とあります。
また、それぞれの賜物を用いて、主人に仕える僕とも例えています。これは教会では奉仕にあたると思います。また、「ある人たちがいつもしているように、集会をやめることはしないで互に励まし、かの日が近づいているのを見て、ますます、そうしようではないか。」(へブル10:25)と聖書は私達が互いに励ましあい礼拝や集会に集うことを勧めています。
聖霊様が私達のうちに生きておられますので、御言葉と祈りにより霊的に成長し、御言葉を行い、愛する主イエス様のお迎えがくるまで、キリストの花嫁として、ふさわしいクリスチャン生活を送りましょう。キリストの再臨まで、私達が互いに励ましあい、祈り合い、神にお仕えできることを心から願っています。
生活の中で物事が順調な時もあればそうでない時もあります。しかし、コミットメントした祈りの生活を続けることで、霊的に揺り動かされる事のない信仰へ成長していくと信じています。
物事が順調な時は傲慢にならずに悔いし、くだけた思いを持ち、また順調でない時は、嵐が過ぎるのを主を信じて待つ。このような歩みは、霊的に成熟したクリスチャンになる素晴らしい道ではないでしょうか。
「神様が立てている計画はわざわいではなく、平安を与える計画であり、私達に希望と将来を与えるためだ」(エレミヤ書 29:11)と神様は言われています。神様の素晴らしい計画が私達一人一人、その家族、また私達の教会に成っていくことを信じてこれからも祈っていきたいと思います。
編集室・気まま便り
感謝祭を迎えるこの時期になると、昔、開拓者が厳しい生活を逞しく生き抜いた姿が思い起こされます。そして信仰深い人々によって最初の年の11月にまず収穫を神様に感謝を捧げる感謝祭が制定されました。
私達も何か成し得た時はまず可能にして下さった神様に感謝を捧げる生き方を貫きたいと思いました。そして信仰に根差した生き方を子孫に伝承していきたいものです。
「神は実にそのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者がひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」 (ヨハネ3:16)
今年も日英両教会が毎週礼拝を守る事ができ、主の栄光を表す事ができた事を感謝します。 MN
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Q イスラエル・ハマス紛争とは?
A ハマス・イスラエル紛争(Hamas-Israel conflict)は、パレスチナのハマス(Hamas)とイスラエルとの間で継続的に発生している政治的な対立と武力衝突を指します。ハマスは、ガザ地区を拠点とするパレスチナの政治組織で、イスラエルに対する抵抗運動として始まりました。以下は、この紛争の主要な要点です:
①ハマスの起源: ハマス(Hamas)はパレスチナ地域で最初に結成された組織で、その起源はイスラエル占領に対する抵抗運動から派生しました。ハマスは、パレスチナのガザ地区と西岸地域でのイスラエル占領に対抗するための抵抗運動として、1987年に最初に登場しました。この地域は長らくイスラエルとアラブ諸国との紛争の舞台であり、パレスチナ人の抵抗運動が盛んでした。
ハマスの創設者は、シェイク・アフマド・ヤーシン(Sheikh Ahmed Yassin)やアブドゥルアッザー・アッザーム(Abdul Azizal-Rantisi)などのイスラム主義者で、彼らのイデオロギーはイスラム教の原理に基づいています。ハマスは、宗教的な価値観を強調し、社会的な改善と抵抗運動を結びつける役割を果たしました。
ハマスは、1987年に最初のパレスチナ人による反乱の際にイスラエルへの攻撃行動やテロ攻撃を行いました。この期間を通じて、ハマスは支持基盤を築き、ガザ地区と西岸地域で影響力を拡大させました。
ハマスは単なる武装組織としてだけでなく、ガザ地区での政治的な力を持つ存在となり、2006年の選挙でパレスチナ自治政府の過半数を獲得しました。その後、ハマスはガザ地区を支配し、パレスチナの西岸地域との分裂が生じました。
ハマスの起源は、パレスチナの占領とイスラエルとの対立に関する歴史的な背景から派生しており、宗教的なイデオロギーや社会的な改善を目指す要素が組み合わさっています。ハマスは国際的にテロ組織と指定されており、イスラエルとの対立が中東問題の一部として続いています。
②ロケット攻撃と軍事対立: ハマスはガザ地区からイスラエル領内にロケット弾を発射することがあり、これに対してイスラエルは軍事的な反応を行います。このサイクルは、多くの死傷者と被害をもたらし、地域の不安定さを増大させています。
③和平プロセスの妨げ: ハマスはイスラエルとの和平交渉を拒否し、イスラエルはハマスをテロ組織と指定しています。このため、和平プロセスにおいて障害となっており、パレスチナの分割と和解の実現が難しい状況となっています。
④国際的な関与: 中東四カ国(アメリカ、ロシア、欧州連合、国際連合)およびエジプトなどが仲介や停戦合意の仲介に当たっていますが、和平への道は依然として困難です。
ハマス・イスラエル紛争は、中東問題全体の一部として位置づけられ、政治的また宗教的な要素が交錯しています。紛争解決の試みは継続的に行われていますが、その解決には多くの複雑な要因が関与しており、持続可能な和平の実現は難しい課題となっています。
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