65.全的堕落

 

全的堕落 : 全的堕落(Total Depravity)とは、原罪の概念から派生したもので、すべての人間が罪のために全的に堕落しているというキリスト教の神学的教義です。人は自分のなすすべてにおいて完全に罪の影響を受けています(本質的に人は完全に堕落している)。 さらに、この完全な堕落は、邪悪な者が罪の奴隷とされているために、自分の自由意志でキリストを受け入れることを選ばず(ローマ6:14-20)、神の御霊に属することを受け入れられず(1コリント2:14)、 そして何の役にも立たない(ローマ3:10-12)ことを意味します。人には自由意志がありますが、神に反することを自由に行うことを選ぶのです。

 

1.例証: 「人間の霊的善の完全な欠如と、神の前で善を行うことができないこと」

 

2.原罪: 原罪とは、アダムの罪のために生まれながらに受け継いでいる罪深い状態。 これは、私たちの性質が生まれた時から堕落していることを意味します。 アダムが死んだとき、彼は全人類を代表していました。

 

A. ローマ書519- 「すなわち、ちょうどひとりの人の不従順によって多くの人が罪人とされたのと同様に、ひとりの従順によって多くの人が義人とされるのです。」

(「罪人とされた」とは、直接法の不定過去で、完了した過去のアクションを意味します)

B. 1コリント1522- 「すなわち、アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによってすべての人が生かされるからです。」

C. 異議-アダムが私たちを代表するのは正しくない。彼の罪は私たちに当てはめることはできず、私たちに影響を与えるべきではない。

(イエスは1コリント15:45で最後のアダムと呼ばれています。 「 聖書に『最初の人アダムは生きた者となった』と書いてありますが、最後のアダムは、生かす御霊となりました。」

 

 

3.人の状態

 

A. 人は陰険で(エレミヤ17:9)、悪に満ち(マルコ7:21-23)、光よりも闇を愛し(ヨハネ3:19)、自分では神のもとに来ることができず(ヨハネ 6:44)、神を求めず(ローマ3:10-12)、弱く不敬虔で(ローマ5:6)、罪の奴隷であり(ローマ6:20)、 霊的なものを受け入れず(1コリント2:14)、自分の罪過と罪の中で死んでおり(エペソ2:1)、生まれながらに怒りの子であり(エペソ2:3)、神に敵対していた者でした(エペソ 2:15)。

 

聖句:

エレミヤ17:9 「人の心は何よりも陰険で、それは直らない。だれが、それを知ることができよう。」

マルコ7:21-23 「内側から、すなわち、人の心から出て来るものは、悪い考え、不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、よこしま、欺き、好色、ねたみ、そしり、高ぶり、愚かさであり、これらの悪はみな、内側から出て、人を汚すのです。」

ヨハネ 3:19 「そのさばきというのは、こうである。光が世に来ているのに、人々は光よりもやみを愛した。その行ないが悪かったからである。」

ヨハネ6:44 「わたしを遣わした父が引き寄せられないかぎり、だれもわたしのところに来ることはできません。わたしは終わりの日にその人をよみがえらせます。」

ローマ3:10-12 「それは、次のように書いてあるとおりです。「義人はいない。ひとりもいない。悟りのある人はいない。神を求める人はいない。 すべての人が迷い出て、みな、ともに無益な者となった。善を行なう人はいない。ひとりもいない。」

ローマ5:6 「私たちがまだ弱かったとき、キリストは定められた時に、不敬虔な者のために死んでくださいました。」

ローマ6:20 「罪の奴隷であった時は、あなたがたは義については、自由にふるまっていました。」

ヨハネ8:34 「イエスは彼らに答えられた。『まことに、まことに、あなたがたに告げます。罪を行なっている者はみな、罪の奴隷です。』」

1コリント2:14 「生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れません。それらは彼には愚かなことだからです。また、それを悟ることができません。なぜなら、御霊のことは御霊によってわきまえるものだからです。」

エペソ2:1 「あなたがたは自分の罪過と罪との中に死んでいた者であって、」

エペソ 2:3 「私たちもみな、かつては不従順の子らの中にあって、自分の肉の欲の中に生き、肉と心の望むままを行ない、ほかの人たちと同じように、生まれながら御怒りを受けるべき子らでした。」

エペソ2:15 「ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。敵意とは、さまざまの規定から成り立っている戒めの律法なのです。このことは、二つのものをご自身において新しいひとりの人に造り上げて、平和を実現するためであり、」

 

神に対する不信者の応答:

神の対する不信者の応答は、彼の堕落ゆえに、悪に満ち(マルコ7:21-23)、善を行うことができず(ローマ3:12)、罪の奴隷であり(ローマ6:20)、霊的な事柄を理解できず(1コリント2:14)、神に敵対していました(エペソ2:15)。 したがって、彼の自由意志は彼の堕落によって制限されており、自然に神を拒絶する傾向にあると結論付けることができます。 これは、聖書が不信者について説明している内容に合致するものです。

 

では、一体どうやって、霊的な事柄を理解できず(1コリント2:14)、神を求めず(ローマ3:10-12)、罪の奴隷である(ローマ6 :14-20)者が神を「選ぶ」ことができるでしょうか? 聖書は、できないと言っています。 ですから、神は人々を永遠のいのちに定め(使徒13:48)、彼らが信じるようにして下さったのです(ピリピ1:29)。 でなければ、誰も救われることなどできないでしょう。

 

B. 人間の堕落した状態と、自分の自由意志では神に来ることができない性質ゆえに、私たちは、人が救われるためには神が何かをされなければならないことに気づきます。

 

 

4.神の働き

 

A. 人々を信じるように定め(使徒13:48)、誰を聖く傷のない者にするかを選び(エペソ1:4)、私たちをご自分の子とし(エペソ1:5)、神の目的に従って召し(2テモテ1:9)、救いに導き (2テサロニケ1:9)、救いのために私たちを選び(2テサロニケ2:13)、信じるようにし(ピリピ1:29)、信者を用い(ヨハネ6:28-29)、悔い改めの心を与え(2テサロニケ2:24-25)、私たちを新しく生まれさせ(1ペテロ1:3)、私たちの意志ではなく、神の意志によって生まれさせ(ヨハネ1:12-13)、ご自分に引き寄せ(ヨハネ6:44)、私たちがイエスに来ることを認め(ヨハネ6:65)、私たちを救いに定め(ローマ8:29-30)、これらすべてをご自分の目的に従って行なわれるのです(エペソ1:11)。

 

聖句:

使徒13:48 「異邦人たちは、それを聞いて喜び、主のみことばを賛美した。そして、永遠のいのちに定められていた人たちは、みな、信仰にはいった。」

エペソ1:4 「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前からキリストのうちに選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました。」

エペソ1:5 「神は、ただみこころのままに、私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられたのです。」

2 テモテ1:9 「神は私たちを救い、また、聖なる招きをもって召してくださいましたが、それは私たちの働きによるのではなく、ご自身の計画と恵みとによるのです。この恵みは、キリスト・イエスにおいて、私たちに永遠の昔に与えられたものであって、」

2 テサロニケ 2:13 「しかし、あなたがたのことについては、私たちはいつでも神に感謝しなければなりません。主に愛されている兄弟たち。神は、御霊による聖めと、真理による信仰によって、あなたがたを、初めから救いにお選びになったからです。」

ピリピ1:29 「あなたがたは、キリストのために、キリストを信じる信仰だけでなく、キリストのための苦しみをも賜わったのです。」

ヨハネ6:28-29 「すると彼らはイエスに言った。『私たちは、神のわざを行なうために、何をすべきでしょうか。』イエスは答えて言われた。『あなたがたが、神が遣わした者を信じること、それが神のわざです。』

2 テモテ2:24-25  「主のしもべが争ってはいけません。むしろ、すべての人に優しくし、よく教え、よく忍び、反対する人たちを柔和な心で訓戒しなさい。もしかすると、神は彼らに悔い改めの心を与えて真理を悟らせてくださるでしょう。」

1 ペテロ1:3 「私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。」

ヨハネ1:12-13 「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった この人々は、血によってではなく、肉の欲求や人の意欲によってでもなく、ただ、神によって生まれたのである。」

ヨハネ6:44 「わたしを遣わした父が引き寄せられないかぎり、だれもわたしのところに来ることはできません。わたしは終わりの日にその人をよみがえらせます。」

ヨハネ6:65 「そしてイエスは言われた。『それだから、わたしはあなたがたに、【父のみこころによるのでないかぎり、だれもわたしのところに来ることはできない。】と言ったのです。』」

ローマ8:29–30 「なぜなら、神は、あらかじめ知っておられる人々を、御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められたからです。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです。 神はあらかじめ定めた人々をさらに召し、召した人々をさらに義と認め、義と認めた人々にはさらに栄光をお与えになりました。」

エペソ1:11 「私たちは彼にあって御国を受け継ぐ者ともなったのです。私たちは、みこころによりご計画のままをみな実現される方の目的に従って、このようにあらかじめ定められていたのです。」

 

 


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